2020年7月21日、FRONTEOは株式会社レトリバと株式会社Nextremerと共催で、「自然言語処理ベンダーの経営陣が語る!明日から使えるテキストデータ分析の勘所」というセミナータイトルでオンラインセミナーを開催しました。
FRONTEO×レトリバ×Nextremer共催セミナークロストーク風景(写真左から、レトリバ代表取締役社長 河原一哉氏、FRONTEO CTO 武田秀樹、Nextremer代表取締役会長 向井永浩氏、FRONTEO AI BizDevOps Team部長 伊賀崎賢哉二世)
FRONTEOからは取締役CTOの武田秀樹が登壇、「200社超の導入実例から学ぶ、自然言語からビジネス価値を生む方程式」という講演タイトルで、冒頭に「AIと人間の協業」と「(普及期に入った)AIの新常識」についてお伝えしました。特に新常識でお伝えした重要な点に「アプリケーション化」を挙げ、ある特定の仕事の業務で使えるようにする必要性を強調しました。そして、「データ×学習→人×仕事」という方程式について、データに基づく問題解決プロセスに関する考え方などを交えながら説明し、最後にそれらを実践しているKIBIT活用事例について話しました。
講演中の当社CTO武田
株式会社レトリバ代表取締役社長の河原一哉氏は、「テキストデータを『よしな』に分析するAIとは」というタイトルで講演し、テキストデータの分析の難しさとAIを使ったアプローチについて理解を促しました。分析軸がわかりやすい数値データに比べ、分析軸がわかりづらいテキストデータに対し、自社の分析AI「YOSHINA」を使った具体例を説明しました。
株式会社Nextremer代表取締役会長の向井永浩氏は、「WITHコロナ時代のキーテクノロジー『遠隔』」をテーマに、労働人口の減少、コロナ影響によるコミュニケーション手段の変化、DXによるサービスの高度化、効率化によって今後は「遠隔」がキーテクノロジーになると語り、自社のAIを活用したマルチモーダル対話システムを例に出しながら、マンション管理業務、カウンター業務等の対面業務で活用されている例を紹介しました。
その後の3社でのクロストークセッションでは、FRONTEO AI BizDevOps Team部長の伊賀崎賢哉二世がモデレーターを務め、自然言語処理業界の実務適用の現状と今後についてパネルディスカッションを行いました。Wikipediaの自然言語処理の項目を見ながら、各社の強みについて語った内容では、自然言語処理の項目のなかでも、OCRの興味深さや時系列情報の活用などがピックアップされました。
また、「各社が最近注目している取り組みや研究領域」に関するテーマでは、FRONTEOの武田は「ディープダイブドメイン」を挙げました。どういった仕事、領域に使うのかがAIを活用する上で最も大事なことであるという考え方で、適用領域で使えるアプリケーションにすることが大切だと語りました。Nextremerの向井氏は、人とAIの協業を追及していると語り、コールセンターなどで人が対応しているところにAIが自動で切り替わる、あるいは人がどのAIチャットボットを使うかボタン一つで切り替えるなどと、人とAIの作業をうまく連携させることを考えていると話しました。レトリバの河原氏は、要素技術だけでは十分ではなく、どうやってAIを使うか、どうすれば人間がAIを受け入れられるかを重視していると語りました。3名の登壇者が共通して強調していたことは、技術は人の役に立つためにあり、人が(実務で)使ってこそ意味があるというものでした。
本セミナーを通して、自然言語処理AIを核としてソリューションを提供している3名の登壇者から、テキストデータ分析に対する実運用によって導き出されたポイントが語られました。AIエンジンの精度の高さだけでは、実際の業務でAIがフルに役立つことは難しく、データの管理方法から教師データの選定まで、AI活用には様々な課題があります。今回、3名の登壇者が自然言語処理AIを実運用へ活用させようと試みてきた経験から語った内容が、記録の宝庫であるテキストデータの活用に悩まれている企業にとってヒントとなったのではと考えています。
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