米国の民事訴訟手続には、米国外の訴訟について米国ディスカバリを利用することができる「1782条ディスカバリ」という制度があります。例えば、外国企業が日本企業に対する訴訟を日本の裁判所に提起し、その訴訟について米国裁判所に1782条ディスカバリを申し立てることにより、日本企業の保有する企業秘密等の重要情報の開示が命じられる可能性があります。1782条ディスカバリについては、EU諸国や中国など世界各国の訴訟のための利用が活発になってきており、日本の事業者や個人における利用も拡大しつつあります。しかし、米国ディスカバリには重要情報流出リスクを始めとする様々な問題があることから、日本企業等においては、日常的な業務遂行時から、ディスカバリの越境的適用を見据えた対応をしておく必要があります。米国ディスカバリの越境的適用については、フランスやドイツなどの大陸法系諸国が長年にわたって米国裁判所で争ってきた経緯があり、最近では中国がデータローカライゼーション措置で対抗策を強化しています。日本においても、政府機関が関与することにより、企業等の統一的な対応体制を構築することが望まれます。
今回は、麻布台片岡法律経済事務所・情報セキュリティ大学院大学 片岡 弘 弁護士をお招きし、ディスカバリの越境的適用による日本企業の重要情報流出リスクとその対応について解説いただきます。
◆日時:2024年3月25日(月)15:00 ~ 16:00
◆利用ツール:Zoom Webinars

検事任官後、法務省国際課長等としてMLAT(刑事共助条約)の運用・締結交渉や国際的証拠収集等に従事したほか、内閣参事官(司法制度改革推進本部)、最高検察庁デジタルフォレンジック推進班長(初代)などとして勤務した。検事長を定年退官後、現在、弁護士・公認不正検査士
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