業績・財務

経営成績サマリー

売上高5,178 百万円前年同期増減率
-9.5 %
営業利益△680 百万円前年同期増減率
-
経常利益△618 百万円前年同期増減率
-
親会社株主に帰属する当期純利益△657 百万円前年同期増減率
-
1株当たり当期純利益△16.70前年同期増減率
-38.8 %

経営成績

当社グループは「Bright Valueの実現~記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する~」という企業理念のもと、自社開発の人工知能(AI)エンジン「KIBIT(キビット)」を活用した高度な情報解析技術を駆使し、祖業である国際訴訟支援、不正調査から製造、金融、小売、流通、そして医療分野といった様々なフィールドで、必要かつ適切な情報に出会えるフェアな世界の実現及び社会課題の解決に貢献しております。


■各事業の当第3四半期連結累計期間の活動状況は以下のとおりであります。

(AIソリューション事業)
ライフサイエンスAI分野 AI創薬領域
ライフサイエンスAI分野のAI創薬領域である“Drug Discovery AI Factory”(以下、DD-AIF)は、2023年7月からの本格的なサービス開始後、多くの製薬企業から問い合わせを受け、2023年10月には、丸石製薬株式会社のドラッグリポジショニング(既存薬の他疾患への転用)における案件を受託するなど複数の受注獲得に至っております。
また、創薬プロセスの上流工程においては、化合物探索・最適化を目的としたAIの活用が進んでいる一方で、高度な自然言語処理技術を必要とする、標的分子探索へのAI活用が課題となっておりました。1)
当社は、そのような課題に対して、独自のアルゴリズムを搭載した自然言語処理AI(KIBIT)を駆使した高度な解析・エビデンスに基づき、仮説生成の短期化・多量化・高精度化を通じて、顧客の創薬研究の効率化および成功確率の向上に資する提案を継続的に行っております。
このような提案を実施する中で、ドライ研究(コンピュータやAIを用いたデータ解析)で導いた仮説に基づき、次段階であるウェット研究(細胞、動物などを用いた生物学的試験)においての検証も併せて委託したいとの要望が数多く寄せられております。こうした顧客ニーズに応えるため、当社は2023年11月に、創薬に必要なプラットフォーム機能を保有するAxcelead Drug Discovery Partners株式会社とパートナーシップ基本契約を締結いたしました。本パートナーシップを通じて、ドライ研究を通して仮説を構築し、ウェット研究でそれらを検証していくサイクルを効率的に両社で運用することで、より一層、顧客企業の創薬研究・事業の発展と医療品質の向上に貢献してまいります。
1)厚生労働省:医薬品開発におけるAIの活用について, https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000926770.pdf

ライフサイエンスAI分野 AI医療機器領域
AI医療機器領域における会話型の疾患診断支援AIプログラムでは、認知症をはじめ、うつ病、統合失調症、ADHDを主な対象疾患として順調に開発を進めております。これまで、主な疾患毎に複数の主要製薬企業に大型プロジェクトを提案しておりましたが、2024年2月14日に、塩野義製薬株式会社と「認知症・うつ病の診断支援AIプログラム事業に関する戦略的業務提携契約」を締結いたしました。他疾患についても、当社は、協業・アライアンスを通じて、世界に先駆けた自然言語処理AIを用いた医療機器として、日本での製造販売承認取得の早期化を目指してまいります。

ビジネスインテリジェンス分野
ビジネスインテリジェンス分野においては、企業のDX推進により引き続き旺盛な需要が見込まれ、売上高は堅調に推移しております。また、2023年3月に発表した不正検知システム「KIBIT Eye(キビット アイ)」に使用している技術について特許を取得し、この特許技術に基づき、KIBIT Eyeの解析結果のスコアリングやハイライト機能などによる表示機能、標準機能における教師データの再チューニングなど、監査に必要となる基本的な機能を実装しております。
不正リスクの未然防止に関する顧客認識は、当社が開催している不正対策勉強会においても、申込者数が過去最高を更新するなど、各社において、取り組みを強化する姿勢・ニーズが確認されており、社会的な要請も強まることが予想されることから、当該市場は今後も拡大するものと見込んでおります。当社は、KIBIT Eyeの提供を通じて、網羅的な監査を支援・実現させることを目的として、引き続きパイプラインの拡大に努めてまいります。

経済安全保障分野
経済安全保障分野においては、イスラエル・パレスチナ問題や台湾総統選など緊迫感が増す国際情勢を背景に、企業の調達リスクや各国の規制による制裁リスクが一層高まっております。
当第3四半期連結累計期間においても、民間企業のサプライチェーンリスク可視化のニーズは拡大しており、米国の税関国境保護局による輸入差し止めを回避するための対策や、海外からの調達を安定化させる支援を「KIBIT Seizu Analysis(キビット セイズ アナリシス)」による解析を用いて実施しました。また、官公庁やシンクタンクにおいても当社の独自技術が活用され、多面的な解析やサプライチェーンおよび株主支配ネットワークの可視化を通じて、最適な経済安全保障対策の支援を行っております。
引き続き、変容する社会情勢を注視しながら研究開発を進め、最適なソリューションを提供することで事業の拡大に努めてまいります。

(リーガルテックAI事業)
リーガルテックAI事業は、当社ポータルサイト「FRONTEO Legal Link Portal」、勉強会、ウェビナーなどのマーケティング活動を積極的に推進しております。それらの活動により、顧客である弁護士事務所や企業からの問い合わせ数、受注数は着実に増加しておりますが、それらの効果発現には一定の時間を要しており、売上高、営業利益ともに軟調に推移しております。引き続き、マーケティングや営業の活動量を高め、収益の回復に努めてまいります。

事業セグメント(四半期累計期間)

単位(百万円)
セグメント名称第1四半期
(1Q)
第2四半期
(2Q)
第3四半期
(3Q)
第4四半期
(4Q)
リーガルテックAI1,0122,1133,322 
AIソリューション4601,3341,856 

財政状況サマリー

総資産8,470 百万円前期末比
-7.3 %
純資産4,671 百万円前期末比
-7.5 %
自己資本比率52.7前期末比
-0.4 point

財政状況

(資産)
総資産は、前連結会計年度末と比べて674,811千円減少し、8,470,418千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べて434,801千円減少し、3,228,337千円となりました。これは主に、売掛金及び契約資産が258,674千円増加した一方で、未収入金が534,827千円減少したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末と比べて240,009千円減少し、5,242,081千円となりました。これは主に、工具、器具及び備品が69,966千円増加した一方で、通常の償却と為替の影響でのれんが63,841千円、顧客関連資産が64,803千円減少、通常の償却と減損処理等によりソフトウエアが203,708千円減少したことによるものです。

(負債)
負債合計は、前連結会計年度末と比べて295,999千円減少し、3,799,178千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べて417,284千円増加し、2,626,458千円となりました。これは主に、借入実行により短期借入金が600,000千円増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて713,284千円減少し、1,172,720千円となりました。これは主に、流動負債に振り替えたことにより長期借入金が643,344千円減少したことによるものです。

(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末と比べて378,811千円減少し、4,671,239千円となりました。これは主に円安の影響により為替換算調整勘定が増加した一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失を計上したことなどによるものです。