業績・財務

経営成績サマリー

売上高1,473 百万円前年同期増減率
-30.2 %
営業利益△573 百万円前年同期増減率
-
経常利益△506 百万円前年同期増減率
-
親会社株主に帰属する当期純利益△453 百万円前年同期増減率
-
1株当たり当期純利益△11.52前年同期増減率
31.0 %

経営成績

当社グループは「Bright Valueの実現~記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する~」という企業理念のもと、独自開発の人工知能(AI)エンジン「KIBIT(キビット)」を活用した高度な情報解析技術を駆使し、祖業である国際訴訟支援、不正調査から製造、金融、小売、流通、そして医療分野といった様々なフィールドで、必要かつ適切な情報に出会えるフェアな世界の実現及び社会課題の解決に貢献しております。

■各事業の当第1四半期連結累計期間の活動状況は以下のとおりです。
(AIソリューション事業)
ライフサイエンスAI分野の中のAI創薬領域においては、当第1四半期連結累計期間に、“Drug Discovery AI Factory”(以下、DD-AIF)事業の立ち上げ準備を進めました(2023年7月12日付で事業を開始いたしました)。
現在の医薬品開発においては、研究の最上流である標的選定のプロセスでのAI活用が進んでいないことが最重要な課題となっております。新たに開始するDD-AIF事業では、このAI活用の進んでいない標的選定のプロセスにおいて、当社の創薬研究者が、自社開発のAIエンジンやAIアプリケーションを駆使して、顧客の創薬研究の効率化・加速化・成功確率向上に貢献する解析と提案を継続的に行う、新しい創薬支援サービスを提供してまいります。また、当第1四半期連結累計期間において、当社の創薬研究者が、日本毒性学会学術年会にてFRONTEO独自の創薬テクノロジーメソッド(Drug Discovery Best Known Method 以下、DD-BKM)を駆使した研究内容を発表いたしました。発表内容に活用したAI解析技術は、臓器毒性発症リスク因子探索から創薬における新規性の高い薬効標的探索での重要な仮説生成に至るまで、幅広く応用可能なアプローチであり、標的選定のプロセスにおけるAI活用の促進に効果的と考えております。顧客である医薬品開発関係者のニーズを的確に捕捉し、必要なアウトプットを継続的に提供することで、DD-AIF事業の推進を加速してまいります。
続けて、AI医療機器領域における、「会話型 認知症診断支援AIプログラム」に関しては、会話の音声を入力データとするプログラム(自動音声書き起こし機能付きプログラム)の開発を着実に進めております。開発プロセスで収集された質の高いデータセットや開発ノウハウを活用した民生品につきましても並行して開発を進めております。当第1四半期連結累計期間において、千葉県流山市で開催されたイベント「まちの縁側保健室カフェ」に参加し、一般の参加者や高齢者ケアの専門家に民生品のデモシステムを体験していただくなど、研究開発・提供を通して、医療・介護課題の解決と患者・高齢者のQOL(Quality of Life)向上に貢献してまいります。
なお、「統合失調症診断支援AIプログラム」及び「うつ病診断支援AIプログラム」などその他の製品につきましても、順調に開発を進めており、開発パイプラインの拡充を図ってまいります。

ビジネスインテリジェンス分野につきましては、当第1四半期連結累計期間の売上高は堅調な立ち上がりとなりました。企業のDX推進により前年度から引き続き旺盛な需要があり、特にコンプライアンス対応のための投資ニーズは高いと考えております。その中で、2023年3月に発表した平時監査システム「KIBIT Eye(キビット アイ)」は、当第1四半期連結累計期間においても連結売上高に貢献しており、現在も複数の企業との間で導入に向けた協議を継続しております。
また、当第1四半期連結累計期間において、日本郵政株式会社がグループ全社を横断して推進する「コエ活プロジェクト」において、「KIBIT Knowledge Probe(キビット ナレッジ プローブ)」が活用され、ガバナンス体制強化に取り組んでいる事例を発表するなど、当社AIの社会実装は着実に進捗しております。
さらに、製品開発においては、「KIBIT WordSonar for VoiceView(キビット ワードソナー フォー ボイスビュー)」、「KIBIT WordSonar for AccidentView(キビット ワードソナー フォー アクシデントビュー)」を始めとした各製品の開発・改良が順調に進捗しており、顧客のニーズをとらえたアウトプットを提供することで、事業を推進してまいります。

経済安全保障分野につきましては、最先端技術のデュアルユース(軍民両用)や、サプライチェーンにおける人権リスクの有無に対する懸念が高まる中、自社や取引先のサプライチェーンなどの健全性の評価、最先端技術の情報漏洩対策が急務となるなど、官庁と民間企業双方での経済安全保障への関心は一層高くなっており、当社へのお問合せは増加傾向にあります。当第1四半期連結累計期間においては、サプライチェーン解析AIソリューションにおけるベクトル化技術の特許査定を取得するなど、事業の本格化に向けて進捗しております。引き続き、各所各社のニーズを把握し、的確なソリューションを提供することで事業の拡大に努めてまいります。

以上の結果、当第1四半期連結累計期間の連結業績は、売上高1,473,397千円(前年同期比30.2%減)、営業損失573,122千円(前年同期は167,629千円の営業損失)、経常損失506,572千円(前年同期は101,909千円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失453,078千円(前年同期は345,460千円の親会社株主に帰属する四半期純損失)と前年同期を下回る結果となりました。なお、リーガルテックAI事業の自社利用ソフトウエアの一部について今後の利用停止が決定したことにより、90,408千円の減損損失を特別損失として計上しております。

事業セグメント(四半期累計期間)

単位(百万円)
セグメント名称第1四半期
(1Q)
第2四半期
(2Q)
第3四半期
(3Q)
第4四半期
(4Q)
リーガルテックAI1,012   
AIソリューション460   

財政状況サマリー

総資産9,014 百万円前期末比
-1.4 %
純資産5,001 百万円前期末比
-0.9 %
自己資本比率53.1前期末比
0.0 point

財政状況

(資産)
総資産は、前連結会計年度末と比べて131,213千円減少し、9,014,016千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べて178,591千円減少し、3,484,547千円となりました。これは主に、現金及び預金が360,375千円増加したものの、売掛金及び契約資産が63,100千円、未収入金が446,670千円減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べて47,377千円増加し、5,529,468千円となりました。これは主に、減損処理によりソフトウエアが90,408千円減少した一方で、為替の影響でのれんが65,227千円、顧客関連資産が56,700千円増加したことによるものであります。

(負債)
負債合計は、前連結会計年度末と比べて83,020千円減少し、4,012,158千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べて302,305千円増加し、2,511,479千円となりました。これは主に、借入実行により短期借入金が300,000千円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて385,325千円減少し、1,500,678千円となりました。これは主に、流動負債に振り替えたことにより長期借入金が288,880千円減少したことによるものであります。

(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末と比べて48,193千円減少し、5,001,857千円となりました。これは主に円安の影響により為替換算調整勘定が増加した一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失を計上したことなどによるものであります。