Bright!FRONTEO Official Blog

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【講演レポート】AI活用カンファレンス <開会ご挨拶> FRONTEOへの企業ブランド変更と人工知能「KIBIT」の事例を紹介するカンファレンス開催に込めた思いとは

2016年8月25日
営業本部 営業支援グループ
7月29日にユーザー企業様をお招きして開催したFRONTEOローンチ記念イベント「AI活用カンファレンス」では、ヘルスケア、ビジネスインテリジェンス、マーケティング、リーガルの4分野における人工知能「KIBIT(キビット)」の活用事例を、20分間のセッションでご紹介いたしました。 この記事では、当日のセッションの内容を順次ご紹介させていただきます。 当日は各セッションに入る前に、まずFRONTEOの代表取締役社長でありグループCEOの守本正宏によるご挨拶からスタートいたしました。 リーガル分野で培われたKIBITの技術 守本は冒頭の挨拶で、これまでの人工知能「KIBIT」開発の経緯と今回の社名変更に至った理由について語りました。 「創業以来、当社はリーガル分野のデータ解析を行ってきました。 リーガル分野のデータ解析とは、簡単に言うと、証拠を見つけるということです。メールや文書などに書かれた証拠となる文面は非常にあいまいで、簡単に決められるものではありません。さまざまなデータマインニングなどの技法を駆使しても、結局人に頼らざるを得ないのが現実でした。そこで、プロフェッショナルの暗黙知に基づいて、あいまいな証拠を見つけ出す人工知能エンジン『KIBIT』を開発しました。KIBITは、日本だけでなく、アメリカ・韓国・台湾などで活用されています。弁護士や犯罪捜査官の暗黙知を学習して、これまでプロフェッショナルに頼ってきた証拠となる文章の選別を行い、労力・時間・コストを劇的に削減しています」

株式会社FRONTEO 代表取締役社長・グループCEO 守本 正宏

ビジネスへの浸透を加速する新ブランド 「このような暗黙知による学習は、他の分野でも応用できるのではないかと考えて、ヘルスケア、ビジネスインテリジェンス、マーケティングという成長領域に事業の拡大を進めてきました。 ヘルスケアの分野では、お医者様や看護師の方の暗黙知を活用し、電子カルテの情報を解析することにより患者さんの容体変化などを予測していこうというプロジェクトを開始しています。ビジネスインテリジェンスの分野では、よくできる営業マンや満足度の高いお客様の声を暗黙知にして、顧客満足度や従業員満足度を向上させるといったプロジェクトが進んでいます。そしてデジタルマーケティングの分野では、優れたマーケッターの暗黙知を生かし、お客様の声を分析して商品開発や企業戦略に生かしていくというプロジェクトに取り組んでいます。 このように当社では、さまざまな情報が混在するビッグデータの中から、プロフェッショナルの方の暗黙知と言われる知見を人工知能に学ばせることにより、社会の課題を解決していこうという取り組みを進めているのです。 ただ残念ながら、以前の社名であるUBICというブランドは、リーガル分野では高い認知度がありましたが、他の分野での拡大を妨げているのではないかと考えました。例えば、メディアで取り上げられた場合、セキュリティや訴訟分野において人工知能を使っている会社とだけ紹介されてしまい、ヘルスケアや金融・マーケティング分野では取り上げられないといったことがありました。 そこで、様々な分野での浸透を加速していくために1年前から開発してきたのが、新ブランド『FRONTEO』です」 人工知能の本格的普及はこれから 「人工知能に関する話題が、多くのメディアで取り上げられるようになりました。人類を支配するのではないか、人間は仕事を失うのではないかと、さまざまな憶測が流れています。 一方で、実際に活用しようとなると、どうすればいいんだと、なかなか分からないのが実情です。 そのために、KIBITをはじめとする人工知能技術の活用が妨げてられているのではないかと考えています。そこで、新ブランドの発表を機会に、先進的な事例や取り組みを紹介する場として、今回のAI活用カンファレンスを開催することと致しました。 私どもは、社会の重大な課題を解決し、人と先端科学の未来に輝ける価値を与えるためには、KIBIT活用の拡大が非常に重要な使命であると確信しております。 ぜひ、これを機会に、人工知能に関する理解と活用に関する知見を深めてほしい」と語りました。 人工知能のビジネス活用の知見を深める4つの事例セッションを開催 このカンファレンスでは、KIBITの活用が始まっている分野から、4つの事例セッションを展開しています。 ・ヘルスケアセッション:NTT東日本関東病院の中尾正寿様をお迎えし、共同で進めている、入院患者のカルテの内容から患者の転倒や転落の予兆を察知する人工知能の活用事例についてご紹介しました。 ・ビジネスインテリジェンスセッション:電通国際情報サービスの江上広行様をお迎えし、金融機関において満足度の高いお客様や従業員の声を人工知能で抽出する活用事例をご紹介しました。 ・マーケティングセッション:IDOM(旧社名:ガリバーインターナショナル)の中澤伸也様をお迎えし、国内中古車販売大手ガリバーが、2016年1月に提供を開始したオンライン接客サービス「クルマコネクト」と、そこで活用されている人工知能「KIBIT」活用の取り組み事例について取り上げました。 ・リーガルセッション:TMI総合法律事務所の戸田謙太郎弁護士をお迎えし、国内企業の過半数以上で進んでいるメール監査の現状と人工知能の活用について解説いただきました。 いずれのセッションも、大きなインパクトを持った事例ばかりです。対象となるのは従来のデータマインニングでは対応が難しかった、形式もバラバラであいまいなテキストを中心とした膨大なデータでした。プロフェッショナルが選び出した少ない学習データをベースにして、人工知能エンジン「KIBIT」が暗黙知にマッチするデータを選択・スコアリングするといった事例になっています。 機械学習やディープラーニングと呼ばれる人工知能技術の画期的な応用例がセンセーショナルに取り上げられることが増えてきましたが、身近なビジネスにおける、現実的に企業が抱える課題の解決策として、着実に実用化が始まっていることを実感できるカンファレンスになったと思います。 是非この次のエントリーからご紹介する4つの事例セッションの記事をご一読下さい。
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