- 報道関係者各位 -
FRONTEOと東京科学大学、「Drug Discovery AI Factory」を活用した新たな創薬標的の探索に関する共同研究を開始
独自のAI技術で検出した創薬標的候補をドライとウェットの両面で検証、アンメット・メディカル・ニーズに応える医薬品開発を目指す
株式会社FRONTEO
代表取締役社長 守本正宏
東京都港区港南2-12-23
(コード番号:2158東証グロース)
株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下「FRONTEO」)は、国立大学法人東京科学大学(所在地:東京都目黒区、以下「東京科学大学」)と、複数の研究対象疾患に対し、両者が保有する独自技術を活用した新たな創薬標的の探索を目的とする共同研究を開始したことをお知らせいたします。

本共同研究では、FRONTEO が開発した特化型 AI「KIBIT(キビット)」を活用した Drug Discovery AI Factory(以下「DDAIF」)¹ と、東京科学大学が保有するウェット検証技術を連携させ、アンメット・メディカル・ニーズ² が高い疾患領域で有望な標的を効率的に同定することを目指します。
FRONTEOは、DDAIFを通じて創薬の標的候補となる分子の抽出等の仮説生成を行い、東京科学大学は in vitro³ で有効性の検証とPLOM-CON⁴ を用いた薬効発現機序⁵ の解析を行います。なお、本共同研究から得られた発明等は FRONTEO が東京科学大学と協議の上で、知的財産権の一部/全部取得を検討してまいります。

■創薬における課題と本プロジェクトの意義
創薬の現場では、対象とする疾患の多様化・複雑化により、従来の研究手法では探索が難しい新規性の高い標的分子やメカニズムの発見が求められるようになっています。また、AIによるドライ研究(データ解析)と、細胞や動物を用いたウェット研究(生物学的検証)の間には、工程や知見の分断があると言われており、研究開発のスピードおよび成功確率の向上を阻害する要因となっていました。本共同研究では、AI 創薬支援サービス DDAIF による仮説生成機能と、東京科学大学が有する医学・薬学の高度な知見および実験技術を融合し、ドライーウェット間の分断を解消することで新規性の高い標的分子を同定し、アンメット・メディカル・ニーズに応える革新的な医薬品の創出を目指します。
東京科学大学 総合研究院 特任教授 村田 昌之氏のコメント
「われわれのように、仮説を立て、実験を立案してそれを検証するウェット系研究者には、最近の多次元生物情報を最適に利用し、膨大で領域横断的な知識の導入とそれを基にした実験系の立案が非常に重要になってきました。FRONTEOが出された仮説を、われわれ東京科学大学グループ(私や加納ふみ教授)が開発してきたPLOM-CON解析法やリシール細胞技術を含む細胞ウェット実験で検証することは、相互にとって非常に有益なのはもちろんですが、FRONTEOが得意な仮説駆動型のサイエンスと、われわれのデータ駆動型サイエンスのハイブリッド型創薬支援システムの構築が創成できることも大いに期待できると思っています。」
株式会社FRONTEO 取締役/CTO 豊柴 博義のコメント
「FRONTEO の AI が既知文献を解析して同定した未踏の創薬標的について、東京科学大学の先端ウェット検証により、その有効性と薬効発現機序を一貫して確認できる共同研究が実現し、大変嬉しく存じます。当社技術の妥当性と実用性が科学的に裏付けられることを期待するとともに、本研究成果を革新的な医薬品の開発へつなげ、アンメット・メディカル・ニーズに応えることで医療の質向上と学術発展に寄与したいと考えております。」
*1 AIと創薬に精通したFRONTEOの創薬エキスパートが、KIBITの自然言語処理技術と独自の解析手法を駆使し、標的分子・適応症探索やその裏付けとなる仮説を提供するAI創薬支援サービス
*2 有効な治療方法が見つかっていない疾患に対する、新しい治療薬や治療法などへのニーズ
*3 「試験管内で」を意味し、非臨床試験(前臨床試験)のうち試験管や培養器などの中に人工的に作った環境下で、薬物の作用や細胞・組織の変化を確認する試験
*4 単一細胞内のタンパク質の量的変化と、それらの質的・時空間的(局在)変化に基づき細胞のシグナル伝達や疾患・薬効が示す細胞状態を解明する解析手法
【参考】東京科学大学:細胞染色画像からタンパク質の共変動ネットワークを構築 「細胞状態」を活写する新解析法の開発により創薬の加速に期待, https://www.titech.ac.jp/news/2021/061334
*5 薬が体内で吸収され、疾患や症状に対して作用を発揮する仕組みやメカニズム
■FRONTEO DDAIFについて
https://lifescience.fronteo.com/products/drug-discovery-ai-factory/
「FRONTEO Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」は、自然言語処理に特化したAI「KIBIT(キビット)」(日米特許取得済)と、FRONTEOの創薬研究者およびAIエンジニアの知見を融合したAI創薬支援サービスです。疾患関連遺伝子ネットワークの解析や、標的候補に関する仮説の構築を通じ、医薬品開発における研究者の意思決定を強力にサポートします。
本サービスはすでに複数の大手製薬企業で導入されており、実績を積み重ねています。
【参考:製薬企業との共創プロジェクト】
・FRONTEOとエーザイ、Drug Discovery AI Factoryを活用した標的探索に関する共創プロジェクトを開始, https://www.fronteo.com/pr/20250128
・FRONTEOと丸石製薬、Drug Discovery AI Factoryを活用したバイオマーカー探索に関する共創プロジェクトを開始, https://www.fronteo.com/pr/20250109
・FRONTEOとUBE、Drug Discovery AI Factoryを活用したドラッグリポジショニングに関する共創プロジェクトを開始, https://www.fronteo.com/pr/20241114
■FRONTEOについて URL:https://www.fronteo.com/
FRONTEOは、自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造しています。当社独自の自然言語処理技術(日米特許取得)は、汎用型AIとは異なり、教師データの量およびコンピューティングパワーに依存することなく、高速かつ高精度での解析を可能にします。加えて、解析した情報をマップ化(構造を可視化)する特許技術を活用することで、「KIBIT」が専門家のインサイトにダイレクトに働きかけることができ、近年、KIBITの技術が創薬の仮説生成や標的探索にも生かされています。

KIBITの独自技術およびアプローチを通じて、「記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」理念の実現に向けて、ライフサイエンスAI、ビジネスインテリジェンス、経済安全保障、リーガルテックAIの各分野で社会実装を推進しています。
2003年8月創業、2007年6月26日東証マザーズ(現:東証グロース)上場。
日本、米国、韓国、台湾で事業を展開。
第一種医療機器製造販売業許可取得、管理医療機器販売業届出。
資本金898,618千円(2024年8月31日時点)。
※FRONTEO、KIBIT、Drug Discovery AI FactoryはFRONTEOの日本および欧州、米国、韓国における商標または登録商標です。
<報道関係者のお問い合わせ先>
株式会社FRONTEO 広報担当
Email: pr_contact@fronteo.com 電話:080-4321-6692
<ライフサイエンスAI事業に関するお問い合わせ先>
株式会社FRONTEO ライフサイエンスAI事業本部
https://lifescience.fronteo.com/contact