- 報道関係者各位 -
今後は動物実験へと進め、アンメット・メディカル・ニーズに応える医薬品開発を目指す
2026年05月13日配信
株式会社FRONTEO
代表取締役社長 守本正宏
東京都港区港南2-12-23
(コード番号:2158東証グロース)
株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下「FRONTEO」)は、AI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(以下「DDAIF」)」で抽出したすい臓がん新規標的分子*1候補について、共同研究先である、米国国立がん研究所(NCI)指定がんセンターを擁するオクラホマ大学医学部 武部 直子 教授の研究室で検証実験を行いました。
その結果、オクラホマ大学でも細胞増殖抑制効果が確認され、当社の先行試験*2を裏付ける結果が得られましたので、お知らせします。
当社は2025年6月に米国進出を本格化し*3、同年7月にオクラホマ大学との共同研究*4を開始しました。今回の検証結果は、その共同研究における具体的な進展です。
両者は今後、動物実験へと研究を進め、アンメット・メディカル・ニーズ*5の極めて高いすい臓がんに対する新たな治療選択肢の創出を目指します。

FRONTEOは2025年、自社開発の方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」と独自の解析手法を用い、ヒトの全遺伝子約2万個の中からわずか2日ですい臓がん創薬の標的候補となる17遺伝子を抽出しました。このうち細胞を用いた試験において、6遺伝子で細胞増殖抑制効果を確認しました*2 。
なお、これら6遺伝子のうちの4遺伝子はすい臓がんとの関連性を報告した論文がなく、残る2遺伝子も既報の論文がわずか1報のみ(2025年4月19日時点)という、極めて新規性の高い標的分子候補でした*2。
これらの標的分子候補のうち、薬の標的として有効と考えられた遺伝子を中心に、オクラホマ大学で検証実験を行いました。その結果、さまざまなすい臓がん由来の細胞株を用いた実験で、がん細胞の増殖抑制が確認されました。特に複数の異なるKRAS変異を背景に持つ細胞株でも増殖抑制効果が確認され、有効性が示されました。
加えて、オクラホマ大学チームの臨床における知見から、標的に関する患者層別マーカーが提案され、「KIBIT」が構築したすい臓がん分子ネットワークが示唆する主要なパスウェイとの関連についても仮説検証を進めています。
両者は今後、動物実験を行い、さらなるエビデンスを積み上げます。並行して、すい臓がんの発症メカニズムに関する仮説の検証も進め、臨床開発に向けた研究を加速します。
FRONTEOはこれらの成果を、製薬企業への導出(ライセンスアウト)*6や共同開発を通じて社会実装し、治療選択肢の限られたすい臓がん患者に一日も早く新たな治療選択肢を届けることを目指します。
当研究室で行った、細胞を用いた検証実験では、さまざまなすい臓がん由来細胞株で細胞増殖抑制が確認できました。
共同研究開始当初、FRONTEOがDDAIFを用いて抽出した標的分子候補は、既存の論文での報告がほとんどない、極めて新規性の高いものでした。
あまりにも類似情報が少ないことから、当研究室のメンバーの間でも半信半疑な面もありました。
しかし、実際に検証を進め、結果が確認できた瞬間、明確に研究室の中の空気が変わったのを今でも鮮明に覚えています。今では、チーム全員が非常にエキサイティングな気持ちで研究に臨んでいます。
今回の結果は、すい臓がんの治療にとって、大きな一歩になると確信しています。今後、動物実験などでさらにエビデンスを積み上げ、臨床開発に向けて進め、一日も早く患者さんへ届けたいと考えています。まだ治療の選択肢を持てずにいる患者さんたちのために、FRONTEOとともに、この挑戦を前進させていきたいと思っています。
FRONTEOとオクラホマ大学医学部の血液腫瘍学内科教授 武部 直子 氏の研究室は、2025年7月より共同研究を実施しています*4。FRONTEOはDDAIFを活用した創薬標的候補の抽出や疾患メカニズムに関する仮説の生成を担当し、オクラホマ大学は武部教授の専門的知見に基づき、生物学的有効性の検証を主導することで、アンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域における有望な創薬標的の効率的な同定を目指しています。
オクラホマ大学医学部は、米国国立がん研究所(NCI)指定がんセンターであるOUヘルス・スティーブンソンがんセンターを擁する全米屈指の医学研究機関で、同センターでは現在、300件を超える臨床治験*7、400件以上のがん研究プロジェクト*8が推進されています。
すい臓がんは、5年生存率が10%未満*9と、部位別で最も低い水準にあるがんとして知られています。治療薬が限られており、毒性の強い化学療法剤に頼らざるを得ないことに加え、化学療法剤が効かなくなると治療選択肢がほとんどなくなる、アンメット・メディカル・ニーズの極めて高い疾患のひとつです。世界的にも、有効な新規治療薬の開発が長年の課題となっています。
弘前大学医学部卒業。横須賀米海軍病院インターン、慶應義塾大学内科初期研修を経て渡米。米国内科専門医、血液学専門医、腫瘍学専門医。メリーランド大学医学部内科助教授、骨髄移植科を経て、2007年より米国国立がん研究所(NCI)にてがん治療評価プログラムSenior Investigatorを歴任。2018年よりNCI開発治療外来副部長、早期臨床治験プログラム・トランスレーショナルサイエンスセクション長。2024年よりオクラホマ大学医学部内科血液腫瘍学教授、固形腫瘍内科セクションチーフ、同大学がんセンター臨床研究副部長。米国臨床腫瘍学会、米国癌研究会、癌免疫療法学会、米国遺伝子細胞治療学会、米国血液学会、米国内科医会会員。
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*1 標的分子:薬を作用させる対象とする分子(遺伝子)のこと *2 2025年7月23日付プレスリリース:FRONTEO、AI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」により抽出した、すい臓がん新規標的分子候補の細胞増殖抑制に対する効果を確認, https://www.fronteo.com/news/pr/20250723_01 *3 2025年6月25日付プレスリリース:FRONTEO、米国進出を本格化 ライフサイエンスとテクノロジーに強みを持つ米Q Partnersと戦略的パートナー契約を締結, https://www.fronteo.com/pr/20250625 *4 2025年7月23日付プレスリリース:FRONTEOと米国オクラホマ大学、がん領域における創薬研究について共同研究を開始, https://www.fronteo.com/news/pr/20250723_02 *5 アンメット・メディカル・ニーズ:有効な治療方法が見つかっていない疾患における、新しい治療薬や治療法などへのニーズ *6 導出(ライセンスアウト):製薬企業においては、自社内で研究開発を行う形態のほか、他社・他機関から医薬品候補化合物などの開発権や販売権を獲得するケースがあり、後者の場合に、開発した企業・機関が製薬企業に対してそれらの開発権・販売権などの許諾・譲渡を行うこと *7 OU Health Stephenson Cancer Center, Cancer Clinical Trials, https://www.ouhealth.com/stephenson-cancer-center/cancer-clinical-trials/ *8 OU Health Stephenson Cancer Center, Cancer Research, https://www.ouhealth.com/stephenson-cancer-center/cancer-research/ *9 国立研究開発法人国立がん研究センター, 最新がん統計, https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html |
【ご参考:製薬企業およびアカデミアとの取り組み】
URL:https://www.fronteo.com/news/ddaif-list

「FRONTEO Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」は、自然言語処理に特化した方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」*(日本・欧州・米国・韓国特許取得済)と、FRONTEOの創薬研究者およびAIエンジニアの知見を融合したAI創薬支援サービスです。疾患関連遺伝子ネットワークの解析や、標的分子候補に関する仮説の構築を通じ、医薬品開発における研究者の意思決定を強力にサポートします。本サービスはすでに複数の大手製薬企業で導入され実績を重ねています。
※方程式駆動型AI「KIBIT」はFRONTEOが独自開発した人工知能。方程式を用いることで非連続な発見、因果関係の把握、高い再現性を実現。学習プロセスの軽量化によりCPUレベルで高速・高精度の解析を可能とします。
※Drug Discovery AI Factoryに使われている技術は、FRONTEOが日本および韓国、米国、欧州で計21件の特許権を取得しています。
URL:https://lifescience.fronteo.com/products/drug-discovery-ai-factory/
■ 株式会社FRONTEOについて URL:https://www.fronteo.com/
FRONTEOは、自社開発の方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造しています。当社独自の自然言語処理技術(日本・欧州・米国・韓国特許取得済)は、汎用型AIとは異なり、教師データの量およびコンピューティングパワーに依存することなく、高速かつ高精度での解析を可能にします。加えて、解析した情報をマップ化(構造を可視化)する特許技術を活用することで、「KIBIT」が専門家のインサイトにダイレクトに働きかけることができ、近年、「KIBIT」の技術が創薬の仮説生成や標的分子探索にも生かされています。

「KIBIT」の独自技術およびアプローチを通じて、「集合知に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」理念の実現に向けて、ライフサイエンスAI、リスクマネジメント(ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野、経済安全保障分野、リーガルテックAI分野)、DX(ビジネスインテリジェンス・プロフェッショナル支援分野)の各事業で社会実装を推進しています。
2003年8月創業、2007年6月26日東証マザーズ(現:東証グロース)上場。日本、米国、韓国で事業を展開。資本金915,057千円(2025年12月31日時点)。
※FRONTEO、KIBIT、Drug Discovery AI FactoryはFRONTEOの日本および韓国、米国、欧州における商標または登録商標です。
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