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2.8億件の論文データを解析、日本の科学技術を国産AIで守る基盤を確立
2026年04月13日配信
株式会社FRONTEO
代表取締役社長 守本 正宏
東京都港区港南2-12-23
(コード番号:2158 東証グロース)
株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下 「FRONTEO」)は、研究機関における技術流出リスクを高精度に可視化する 「研究セキュリティ・リスクマネジメントシステム」のプロトタイプ(以下「本システム」)を開発しました。
本システムは、内閣府「研究セキュリティ・インテグリティに関するリスクマネジメント体制整備支援事業」の一環として、同事業の委託先である国立健康危機管理研究機構(理事長:國土典宏、以下「JIHS」)より開発を受託したものです。FRONTEOの方程式駆動型AI「KIBIT」を基盤に、研究者の事務負担を最小限に抑えながら、経済安全保障上の重要課題である研究インテグリティおよび研究セキュリティの確保を支援します。
■研究者を取り巻く複雑な関係とリスク

田中 利治氏
■研究セキュリティにおける現状課題
近年、国際的な研究活動において、技術流出や外国からの不当な影響(FOCI:Foreign Ownership, Control, or Influence)が懸念されており、政府は2025年12月に「研究セキュリティの確保に関する取組のための手順書」*を策定するなど対策を強化しています。
一方で、研究機関の現場では、研究者本人や共同研究先、研究インフラ、資金源等に関する膨大な情報確認作業が負担となり、研究時間の圧迫や国際共同研究への参画意欲低下といった新たな課題が顕在化しています。
*内閣府:研究セキュリティの確保に関する取組のための手順書, https://www8.cao.go.jp/cstp/kokusaiteki/integrity/yushikisha/guidelines_v1.pdf
FRONTEOは「日本の科学技術は日本の技術で守る」というコンセプトの下、独自のAI技術を活用し、JIHSおよび5NCと連携して、実務者のニーズを反映した本システムを開発しました。
■「研究セキュリティ・リスクマネジメントシステム(プロトタイプ版)」の3つの特長
本システムは、FRONTEOの経済安全保障AIソリューション「KIBIT Seizu Analysis」における「研究者ネットワーク解析ソリューション」を拡張し、以下の機能を実装しています。

1. 圧倒的なデータ網羅性:2.8億件の論文データを統合解析
従来の商用データベースに加え、新たにオープンデータを本システムへ統合することで、解析対象となる論文データ数を約50万件から約2.8億件へと飛躍的に拡張しました。これにより、医学・工学等の分野横断的な共著関係や研究活動の実態を網羅的に把握することが可能となりました。
2. リスクの可視化と「1クリック分析」による劇的な工数削減
研究者名を本システムへ入力するだけで、論文共著者、所属組織、資金源などの情報を自動収集・解析し、これらを統合したリスク関連情報を網羅的に提示します。
また、実証実験では、従来の人手で実施していた場合と比較し、研究者の検索・同定からレポート作成までの時間を約90%削減することに成功しました。リスク判定を含むデューディリジェンス業務全体においても、従来は対象研究者1人につき1日以上を要していた作業を約1時間程度に短縮できることが確認されました。これにより、研究現場の作業負荷を大幅に軽減します。
3. 株主支配・資金源の深層解析(FOCI分析)
研究者ネットワークに加え、資金提供企業や共同研究先企業等の株主支配構造(FOCI)まで分析します。外国政府の影響や制裁対象との関係性を検知し、従来見落とされがちだった潜在的リスクの可視化を実現します。

■成果報告シンポジウムで実務実装の方向性を提言
FRONTEOは、本システムの実証実験の成果を、2026年1月14日に開催されたJIHS主催「成果報告シンポジウム~医療系研究機関におけるリスクマネジメント~」にて発表しました。
FRONTEO 経済安全保障室研究チーム 部長/滋賀医科大学 客員講師 今村 文彦は、内閣府、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)、大学有識者とのパネルディスカッションに登壇し、研究機関における本システムの実務実装と今後の展望について提言し、多くの研究機関関係者から本システムの有効性について高い評価が寄せられました。

FRONTEO 経済安全保障室研究チーム 部長/滋賀医科大学 客員講師 今村 文彦
■シンポジウムプログラム
開会挨拶
国立健康危機管理研究機構 理事長 國土 典宏
内閣府講話「国の研究セキュリティ・インテグリティ政策の動向と研究機関への期待」
内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局 参事官 錦 泰司
事業成果報告
国立健康危機管理研究機構 総合研究開発支援局研究管理部 部長 山田 康秀
デューディリジェンスシステム開発成果報告
株式会社FRONTEO 経済安全保障室研究チーム 部長/滋賀医科大学 客員講師 今村 文彦
パネルディスカッション「研究機関における研究セキュリティ・インテグリティ実装の壁と次年度以降への展望」
モデレーター:
東京大学 先端科学技術研究センター 経済安全保障インテリジェンス分野 特任講師 井形 彬
パネリスト:
内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局 参事官 錦 泰司
国立健康危機管理研究機構 総合研究開発支援局研究管理部 部長 山田 康秀
国立研究開発法人 科学技術振興機構 経営企画部 総括グループ 調査役 松尾 敬子
株式会社FRONTEO 経済安全保障室研究チーム 部長/滋賀医科大学 客員講師 今村 文彦
閉会挨拶
国立健康危機管理研究機構 副理事長 脇田 隆字
■今後の展望:プロトタイプから製品化へ
FRONTEOは今後、プロトタイプ版で得た知見と5NCなどからのフィードバックを反映させ、本システムのセキュリティ強化やデータ品質の安定化を図り、実運用を見据えた「製品版」へのアップデートを加速します。さらに、単独機関への個別導入にとどまらず、中核機関がハブとなりノウハウやシステム基盤を集約して提供する「機関間連携モデル(シェアード・サービス)」の構築を目指します。これにより、予算や専門人材が限られる中小規模の大学・研究機関においても、財政状況に応じた最適なプランで高度なリスク管理体制の構築が可能になります。
FRONTEOは本システムを、日本の研究セキュリティにおけるデファクトスタンダード(事実上の標準)へと成長させ、日本全体の経済安全保障リスク管理能力の底上げと、研究力強化を通じた国際頭脳循環の両立に貢献してまいります。
■FRONTEO経済安全保障事業について URL:https://osint.fronteo.com/
FRONTEOは、リスクマネジメント事業において、膨大な情報と見えないネットワークに潜むリスクを可視化し、経済安全保障に関する事業・経営戦略の策定と推進を支援することを目的として、経済安全保障分野の事業を展開しています。同事業では、経済安全保障対策AIソリューション「KIBIT Seizu Analysis」ならびに、これまで多くの企業で支援してきた実績をもとに、企業が自社内で経済安全保障対応を自律的に運用できる「経済安全保障室」の業務設計をサポートする「経済安全保障対策コンサルテーション」を提供しています。
「KIBIT Seizu Analysis」は、自社開発の解析技術を搭載した、サプライチェーンや企業の実質株主による支配状態などのネットワーク解析を行うシステムです。現在、下記の3つのソリューションを提供しています。
1. サプライチェーン解析ソリューション
サプライチェーンにおけるチョークポイント(戦略的に重要な地点)や懸念組織とのつながりの可能性、依存度を把握する
2. 株主支配ネットワーク解析ソリューション
複雑なネットワーク上での株主間の影響力を、間接持株比率を補正した独自の手法により解析し、隠れた支配力の伝搬を把握する
3. 研究者ネットワーク解析ソリューション
機微技術に関わる研究開発について、研究者の所属組織などに注目した人脈の分析と、それに基づくリスクを把握する
■株式会社FRONTEOについて URL:https://www.fronteo.com/
FRONTEOは、自社開発の方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造しています。当社独自の自然言語処理技術(日本・欧州・米国・韓国特許取得済)は、汎用型AIとは異なり、教師データの量およびコンピューティングパワーに依存することなく、高速かつ高精度での解析を可能にします。加えて、解析した情報をマップ化(構造を可視化)する特許技術を活用することで、「KIBIT」が専門家のインサイトにダイレクトに働きかけることができ、近年、「KIBIT」の技術が創薬の仮説生成や標的探索にも生かされています。

「KIBIT」の独自技術およびアプローチを通じて、「集合知に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」理念の実現に向けて、ライフサイエンスAI、リスクマネジメント(ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野、経済安全保障分野、リーガルテックAI分野)、DX(ビジネスインテリジェンス・プロフェッショナル支援分野)の各事業で社会実装を推進しています。
2003年8月創業、2007年6月26日東証マザーズ(現:東証グロース)上場。日本、米国、韓国で事業を展開。資本金915,057千円(2025年12月31日時点)。
※FRONTEO、KIBIT、Seizu AnalysisはFRONTEOの日本および韓国、米国、欧州における商標または登録商標です。
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<報道関係者のお問い合わせ先> <経済安全保障事業・AIソリューションに関するお問い合わせ先> 株式会社FRONTEO 経済安全保障室 |