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「毒性試験報告書テキスト情報解析の取り組み」の有用性確認を受け協業をさらに拡大
2025年08月18日配信
株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下「FRONTEO」)は、第一三共株式会社(以下「第一三共」)と、AI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(以下 DDAIF)*1」を活用した毒性試験データベースおよび毒性試験報告書テキスト情報の解析業務に関する契約を締結したことをお知らせします。
本契約は、FRONTEOが第一三共と2024年11月に開始した「毒性試験報告書テキスト情報解析の取り組み*2」にて、有用性が確認されたことを受け、DDAIFを用いて毒性試験データベースや毒性試験報告書テキスト情報のさらなる活用を進めることを目的とするものです。
なお、「毒性試験報告書テキスト情報解析の取り組み」の成果は、2025年7月2日から4日に開催された「第52回日本毒性学会学術年会」において、第一三共の研究チームにより発表されています*3。
今回の新たな取り組みでは、第一三共が保有する既存の毒性試験データベースおよび毒性試験報告書テキスト情報のさらなる有効活用を目的に、FRONTEOがDDAIFを活用し、毒性試験データベースから得られる数値データおよびこれに対応する毒性試験報告書記載の毒性判断の自動紐づけの可能性についての検討を行い、さらに改良データベースの構築や、その定期的なアップデートに向けたコンサルティングを行います。
■毒性試験情報活用の背景と課題
2025年4月、米国食品医薬品局(FDA)は、動物福祉や研究開発コスト・期間削減を目的に、医薬品研究開発における動物実験を廃止し、AIや培養細胞を用いた試験に置き換えていく方針を示しました。近年、創薬における動物実験の削減・代替・高度化(3Rs:Replacement, Reduction, Refinement)は国際的な潮流となっており、EUや日本においても毒性試験の過去データの有効活用や新技術の導入が求められています。
特に、AIを用いた毒性試験データ解析は、網羅的で偏りのない評価を可能にします。FRONTEOが独自開発した特化型AI「KIBIT」を搭載するDDAIFは、既存の文献に記載のない未知の関連性を科学的・体系的に発見することができるため、毒性試験報告書の解析から新たな知見を導き出すことで、新規化合物の毒性予測にも有用であると期待されています。
今後もFRONTEOは、自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」の自然言語処理技術と独自の解析手法を駆使したAI創薬支援サービス「DDAIF」の高度化と社会実装を通じて、革新的医薬品ならびに治療法の研究開発、医学・薬学研究の進展、医薬品産業の発展、医療の質ならびに患者のQOL(生活の質)向上に貢献してまいります。
〈注釈〉
*1 DDAIF:AIと創薬に精通したFRONTEOの創薬エキスパートが、自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」の自然言語処理技術と独自の解析手法を駆使し、標的分子・適応症探索やその裏付けとなる仮説を提供するAI創薬支援サービス
*2 2024年11月12日付プレスリリース:第一三共とDrug Discovery AI Factoryを活用した 毒性情報の最適化および解析業務に関する契約を締結, https://www.fronteo.com/news/pr/20241112
*3 2025年7月8日付プレスリリース:FRONTEOの自然言語処理AI技術を用いた毒性試験データベースの利活用について、第一三共が学会発表, https://www.fronteo.com/news/pr/20250708
■FRONTEO Drug Discovery AI Factory(DDAIF)について
URL:https://lifescience.fronteo.com/products/drug-discovery-ai-factory/
「FRONTEO Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」は、自然言語処理に特化したAI「KIBIT(キビット)」(日米特許取得済)と、FRONTEOの創薬研究者およびAIエンジニアの知見を融合したAI創薬支援サービスです。疾患関連遺伝子ネットワークの解析や、標的候補に関する仮説の構築を通じ、医薬品開発における研究者の意思決定を強力にサポートします。
本サービスはすでに複数の大手製薬企業で導入されており、実績を積み重ねています。
【参考:製薬企業との共創プロジェクト】
【参考:アカデミアとの共同研究プロジェクト】
■株式会社FRONTEOについて URL: https://www.fronteo.com/
FRONTEOは、自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造しています。当社独自の自然言語処理技術(日米欧特許取得)は、汎用型AIとは異なり、教師データの量およびコンピューティングパワーに依存することなく、高速かつ高精度での解析を可能にします。加えて、解析した情報をマップ化(構造を可視化)する特許技術を活用することで、「KIBIT」が専門家のインサイトにダイレクトに働きかけることができ、近年、KIBITの技術が創薬の仮説生成や標的探索にも生かされています。
KIBITの独自技術およびアプローチを通じて、「記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」理念の実現に向けて、ライフサイエンスAI、リスクマネジメント(コンプライアンス支援分野、経済安全保障分野、リーガルテックAI分野)、DX(プロフェッショナル支援分野)の各事業で社会実装を推進しています。
2003年8月創業、2007年6月26日東証マザーズ(現:東証グロース)上場。日本、米国、韓国、台湾で事業を展開。第一種医療機器製造販売業許可取得、管理医療機器販売業届出。資本金資本金899,176千円(2025年3月31日時点)。
※Drug Discovery AI Factoryに使われている技術は、FRONTEOが日本および韓国、米国、欧州で計21件の特許権を取得しています。
※FRONTEO、KIBIT、Drug Discovery AI FactoryはFRONTEOの日本および韓国、米国、欧州における商標または登録商標です。