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もしも…ある日突然FBI捜査官が会社にやってきたら

BakerHostetlerのパートナー、ジャック・フォナチアリ弁護士と経済学者フレドリック・ウォレンボルトン博士が講師を務める「リーガル経済学~いかに罰金・和解金を最小限に抑えるか? 法的・経済学的考察~」セミナーが、2019年3月7日、東京にて開催されました。

フォナチアリ弁護士は、米国およびEUにおけるカルテル事案でも多くの顧客の弁護を担当し、複雑かつ大規模な商事訴訟事案や反トラスト事案、ホワイトカラー弁護において長年の経験を有しています。日本企業の反トラスト事案では、大手海運企業の弁護人も務め、大規模案件では初めて日米で罰金額が逆転した(日本で科された課徴金の方が米国で科された罰金を大幅に上回る)事例の立役者でもあります。弁護士としての長年の経験と、積み上げた信頼・実績により、数多くの日本企業を救ってきました。また、経済学者のウォレンボルトン博士は、米司法省反トラスト局のチーフ・エコノミストの他初代経済分析担当司法長官補佐官を務めた経歴を有しており、両氏の豊富な経験から得た知見を借りようと、会場には多くの受講者が詰めかけました。

フォナチアリ弁護士

今回のセミナーは主に、反トラストの近況、損害賠償額をいかに抑えるか、捜査対象となった場合に発生するコスト、将来に備えた効果的なコンプライアンス・プログラムに関する解説で構成されていました。以下に、セミナー内容の概要を紹介します。

フォナチアリ弁護士

ここ数年、多くの日本企業が米国政府による捜査の対象となり、起訴もしくは有罪答弁を行い巨額賠償や従業員の収監など刑事罰を受ける事案が多く発生しています。その多くは自動車部品カルテル摘発によるものでしたが、これら政府による捜査もようやく一巡し、現在は刑事事件のあとに続く民事訴訟(クラスアクション)の対応を迫られ、多くの企業が巨額の和解金を支払う事態となっています。一見すると下火になってきた米国政府による反トラスト捜査は、今後も落ち着きを見せるのか、あるいは昨今メディアを騒がせている不正検査やデータ改ざん事件が発端となり、再び米国司法省による捜査が活発化するのか、米国政府の捜査対象になってしまった場合の法的コストやその後に続く民事訴訟コスト等、リーガル・ディフェンスの観点に基づき日本企業はいかにコスト削減を図るべきかについて、お話いただきました。 カルテル事案の多くはアムネスティ申請により捜査が開始され、米国司法省の捜査対象になるとある日突然捜査官がやってきて(Dawn Raid、事前通告なしの立ち入り検査と呼ばれる)、司法省に協力するか否か24時間以内に決めなければならない。どういう内容で協力するかを司法省に伝えなければならなく、その内容については社内で早急に把握する必要があるため、ディスカバリー(証拠開示手続き)という作業が重要になってくる。通常2~3週間以内に情報を提供する必要があるため、早急にディスカバリーを行い、有益な情報を早く提出すれば、罰金の減額につながる、司法省に情報を提供する順番が肝となる、など具体的な話を交えた解説が続きました。

ウォレンボルトン博士

ウォレンボルトン博士

ウォレンボルトン博士からは、フォナチアリ弁護士の話で度々話題にあがった「罰金」の具体的な算出ガイドラインと、罰金を最小限にするためのベストプラクティスについて説明がなされました。 罰金算出ガイドラインは、(違反行為により)影響を受けた取引額の20%×有責性スコアの倍率で算出されます。倍率は、有責性スコアに基づき、0.75~4の範囲で違反行為の内容によって変動します。この罰金を最小限に抑えるためには、Volume of Commerce(VOC:商取引高)を抑えることが効果的です。VOCが小さければ小さいほど支払額を少なくすることができます。 米国訴訟では、訴訟に関わる数値を効果的に算出することで罰金や損害賠償額を減額させることができるので、エコノミストを即座に雇うことが賢明という言葉でセミナーを締めくくっていました。