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制裁の減免も期待できる、と聞いても「自分のところは見直し不要」と言い切れますか?– DOJ反トラスト局新ガイドライン

2019年8月29日

FRONTEOのアニサ・ヘンダーソン(米国フロリダ州弁護士/米国ワシントンD.C.弁護士)が、DOJの「企業のコンプライアンスプログラムを評価するための新ガイドライン」について要旨をまとめています。是非社内でのコンプライアンスプログラムの評価・策定にお役立てください。

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効果的なコンプライアンスプログラム

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効果的なコンプライアンスプログラムには何が必要でしょうか?Joseph Murphy氏がSociety of Corporate Compliance and Ethicsに寄せた原稿の中で、氏は「効果的なプログラムには2つの要件があります。マネジメント層が、正しい行いをすることに対して責任を持つことと、それを実現するためにマネジメント側で踏むべき手順、です。」Murphy氏は、小規模の企業でも、莫大な費用をかけずに効果的なコンプライアンスプログラムを実装できる、と強調しています。
 
先月、米国司法省(DOJ: Department of Justice)の反トラスト局が、企業のコンプライアンスプログラムを評価するための新ガイドラインを発表しました。そこには、効果的なコンプライアンスプログラムを用意しておくことで得られるメリットについても書かれています。
 
効果的なコンプライアンスプログラムを用意しておくと、DOJの反トラスト局が以下の内容を決定する際の勘案要件となります。
 
1)           起訴するか不起訴にするか
2)           処罰の重さ(罰金の額など)
3)           制裁措置減免(リニエンシー)の適用を受けられなくても、訴追延期合意(DPA: deferred prosecution agreement)の手続 が適用されるか
 
DOJは同ガイドラインで、効果的なコンプライアンスプログラムの要素として以下の9つを挙げています。(1)プログラムの設計と包括性、(2)コンプライアンスに対する社内の文化、(3)反トラストに関するコンプライアンスに対し、どの程度の責任を有し、どの程度のリソースを割いているか、(4)反トラストのリスク評価テクニック、(5)従業員に対するコンプライアンス教育、(6)反トラストに関するコンプライアンスプログラムの定期的な見直し・評価・修正を含むモニタリング/監査テクニック、(7)レポーティングのメカニズム、(8)コンプライアンスに対するインセンティブと規則、(9)改善方法
 
DOJではガイドラインの中で、特定の方法を挙げてはおらず、考慮すべき課題をリストし、どのようなオプションがあるか提示しています。自社の規模や業界に適した方法を選ぶことをおすすめします。特に、社内で起こりうるリスクにも対応できるようカスタマイズしておくとよいでしょう。
 
「モニタリング」を例に挙げて見てみましょう。DOJによれば、「効果的なコンプライアンスプログラムにはモニタリングと監査機能が設けられていて、従業員がきちんとコンプライアンスプログラムに準拠するようになっている」とのことです。他にも、モニタリングの例として「ドキュメントの定期的な見直し/特定の従業員からの連絡、特定の従業員に対する業績評価と従業員による自己評価、特定の従業員との面談」などを挙げています。
 
Murphy氏は、小規模企業の場合、「社内を歩き回って従業員と話す」こともモニタリングの一環になり得るとしています。社内で話を聞いて回るときは、コンプライアンスや倫理にまつわるチェックリストについても触れるとよいでしょう。
 
とは言え、DOJの反トラスト調査を最も懸念すべきなのは、大規模な多国籍企業で、世界中に様々な部署が散らばっているような企業です。DOJでは、大規模企業はより多くのリソースをコンプライアンス対応に充てるよう期待しています。このような企業では、特定の従業員のコミュニケーションをモニタリングするツールや、メール監査ツールなどが広く採用されています。
 
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参考文献
Evaluation of Corporate Compliance Programs in Criminal Antitrust Investigations, Department of Justice Guidelines (2019) [https://www.justice.gov/atr/page/file/1182001/download](最終閲覧日:2019/08/06)
Compliance is a Culture, Not Just a Policy, Department of Justice Speech (2014): [https://www.justice.gov/atr/file/517796/download] (最終閲覧日:2019/08/06)
Murphy, Joseph (Society of Corporate Compliance and Ethics): A Compliance & Ethics Program on a Dollar a Day [https://assets.corporatecompliance.org/Portals/1/PDF/Resources/CEProgramDollarADay-Murphy.pdf] (最終閲覧日:2019/08/06)
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