Bright!FRONTEO Official Blog

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FRONTEOの新しいFAQシステム「KIBIT Find Answer」についてご紹介いたします!

2018年7月30日
コーポレートコミュニケーション部
2018年7月17 日、FRONTEOは独自開発の人工知能エンジン「KIBIT (キビット)」を用いた自動FAQシステム「KIBIT Find Answer(キビット ファインド アンサー)」の提供を開始しました。 20180717.pdf 問い合わせ業務の効率化や社員ナレッジの共有などを目的に、色々なシーンで導入が進んでいるFAQシステム。その中で今回リリースしたKIBIT Find Answerの特長はどのようなところにあるのでしょうか。KIBIT Find Answer をはじめとしたKIBIT搭載製品のセールスを担当しているビジネスソリューション本部所属の斎藤さんと、人工知能KIBITの研究・開発に取り組み、KIBIT Find Answerの開発を指揮した行動情報科学研究所所属の井口さんにお話しを伺ってみました。
斎藤 匠 ※写真 ビジネスソリューション本部 ソリューション1部所属 KIBIT搭載製品(Knowledge Probe、Patent Explorer、 Email Auditor、 Find Answer)を取り扱う部署の営業担当。お客様が抱えている課題や要望を引き出し、最適なソリューションの提案活動を行う。また営業担当として、Find Answerの開発や導入における側面支援も行う。
井口 慎也 ※写真 行動情報科学研究所 研究開発部所属 独自開発である人工知能「KIBIT」を活用したAI製品の研究・開発に携わり、Find Answerの開発責任者を務める。現在は、リーガルテック事業においてeディスカバリ(電子証拠開示制度)に基いた電子文章群の閲覧と選定作業をKIBITを活用して効率化・自動化する技術と製品の開発に取り組む。

KIBIT Find Answerの仕組み

—KIBIT Find Answerはどのようなシステムなのでしょうか? 斎藤:KIBITは、テキスト解析に特化した人工知能です。人間の心の「機微」(KIBI)と情報量の単位である「ビット」(BIT)を組み合わせ、「人間の心の機微を学習できる人工知能」を意味しており、このKIBITを用いているFind Answerは、人間の経験や判断に基づく“暗黙知”を再現するKIBITの特徴を、FAQによる問題解決業務に応用したソリューションです。自然文で入力された質問の特徴をKIBITが学習し、エキスパートが過去に行った回答データから適切な内容を抽出して提示することで、社内の他部署・他部門からの問い合わせ対応を省力化することができます。

KIBIT Find Answerの回答提示の仕組み

リリースしてからまだ1ヶ月も経っていませんが、ありがたいことに反響が大きく既に多くのお問い合わせを頂いています。「データ化したけど活用できていない」「データもなく人力で対応している」など様々なフェーズのお客様がいらっしゃいますが、“必要な情報を効率的に探す”という課題は共通で、そのための仕組みを顕在的にも潜在的に求めているのだなと実感しています。専門性の高い質問が寄せられる部署、たとえばITのヘルプデスク担当や法務部門、人事総務などで活用できるシステムだと思います。

自然文から質問の意図を読み取るKIBIT Find Answer

—KIBIT Find Answerの特長を教えてください。 井口:導入の手軽さなど色々と挙げられるのですが、開発の観点に絞って言うと“自然文で入力できるので、キーワード(単語)検索よりも正確な回答が出やすい”という点が一番大きな特長だと思います。 一般的な検索エンジンでは、求める回答にたどり着くためにキーワードを次々入れて回答を絞って行きますが、そうすると段々ヒットしなくなり、回答自体が上がってこなくなります。また何をキーワードに設定するかという、探す側にある程度のスキルが求められます。 しかしFind Answerの場合は、何をキーワードに設定するか悩む必要はありません。メールやチャットで人に質問をするように、思いついたままの文章をそのまま入れるだけで大丈夫です。質問の文章がどんなに長くてもKIBITがその文章の特徴を捉え、表現の揺らぎを吸収して過去の近しい質問を拾ってくれます。質問文を入れれば入れるほど、KIBITはその特徴を学んでくれるのです。キーワードを入れて絞り込む世界とは対極にあります。 —質問文の特徴を捉えるとはどういうことなのでしょうか? 井口:では実際にFind Answerを使いながら見て行きましょう。 たとえば出張の申請方法を調べる場合、一般的なキーワード検索では「出張」「手続き」「申請」などの単語を入れると思います。しかしFind Answerの場合は、チャットで質問をするように思いついたままの文章をこのように入れます。 KIBITはこの質問内容の文章を「出張//決まっ///です///社内//おける/手続き//申請//内容//教えて/下さい」と形態素※¹に区切り、全てを見た上でどこにあるどの語が重要なのかというのを自分で考え、判断します。この文章で言えば「のですが」とか「下さい」というのは一般的によく使われる語ですよね?このような表現に関しては、KIBITは自分で「重要ではない」と判断をします。従って質問者側でキーワードを指定する必要はないのです。そして、KIBITが判断した基準に従って、過去の質問に対してスコアリングを行い点数が高いものから表示します。  ※¹  形態素:意味を持つ最小の言語単位のこと。 これが実際にKIBITがピックアップした過去の質問と回答内容になります。 1つ目は、質問者が入力した文章の「社内」「手続き」という単語、2つ目は「出張」「申請」をそれぞれ重要だとKIBITが判断して引っ張ってきていることが分かります。「~ですか?」や「~教えて下さい」というような疑問文と肯定文の違いや、「です」「ください」といったような文末表現の違いなど、入力者が異なれば当然表記や表現も揺らぎますよね。KIBITはそれも理解したうえで質問文の特徴を捉え、過去の類似の質問を引っ張ってきてくれます。 もう一つ見てみましょう。人が指定したキーワードに依拠しない例になります。 「ドレスコードの規定はありますか?」という質問に対し、KIBITは「服装について規定はありますか?」という過去の質問に一番高いスコアを付けています。一般的な検索エンジンでは「ドレスコード」をキーワードに設定すると思うのですが、その場合KIBITが高いスコアを付けた「服装について規定はありますか?」はヒットしないことになります。しかしKIBITは「ドレスコード」を含めた文章全体を見た上で、それぞれの形態素が重要か重要でないかを判断しています。この二つの文章を見ると、それぞれ「規定はありますか?」と文章構造が似ていますよね。つまりKIBITは、「『ドレスコード』はないけれど、『規定』『はありますか?』とあるので、これが似ているのでは?」と判断をしてこの過去の質問に高いスコアをつけているのです。このように質問の意図を読み取り、求める回答を高精度に出せるのはKIBIT Find Answerならではですね。

誰もが体感できる人工知能

—今後KIBIT Find Answerに期待していることは? 斎藤:今はFAQシステムとしてお客様に活用して頂いていますが、本質的には社内のナレッジシェアの仕組みだと考えています。社内に存在する情報資産を溜めておき、誰でも簡単な形で見つけ出すことができる。それがKIBIT Find Answerの価値の本質だと思います。ヘルプデスクのような質問を受けて回答するというところからスタートしていますが、それ以外にもお客さんの情報を探す、シェアするという業務に広く適用できる仕組みなので、マーケットという観点では多様なニーズに応えられる新しい製品だと思っています。 井口:今までの製品は、事前にKIBITに学ばせる内容を準備して教え込ませる必要があったのですが、Find Answerはパッと思いついた言葉を語りかけるように入れると、すぐにKIBITが反応して関連したデータを引っ張ってくるという、インタラクティブ性の高い技術を作ることができたと思います。KIBITをより対話的に使える世界を広げられたかなと思います。今後は、人間の自然な言い回しを意識した、気を遣えるような人工知能を必要としているところ、たとえばお客様のサポートであるとかロボットなどの対話的なやり取りが発生するような場ででこの技術をもっと使って行ってほしいですね。 斎藤:対話的なインターフェースは今後もどんどん浸透してくると思います。今までのKIBIT製品はエキスパートの人が使う仕組みが多かったのですが、特定の人だけではなく誰もがKIBITを使った価値を体感して頂けるのは新しい取り組みだと思います。この技術を色々な人にぜひ体感してもらいたいですね。
KIBIT Find Answerに関するお問い合わせ先 ビジネスソリューション本部 TEL:03-5463-6375 Email: kibit-info@fronteo.com http://www.kibit-platform.com/
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