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【講演レポート】AI活用カンファレンス <マーケティングセッション> 中古車販売のガリバーが推進する、人工知能を用いた接客業務の高度化によるO2Oの未来について

2016年8月30日
営業本部 営業支援グループ

7月29日にユーザー企業様をお招きして開催したFRONTEOローンチ記念イベント「AI活用カンファレンス」では、ヘルスケア、ビジネスインテリジェンス、マーケティング、リーガルの4分野における人工知能「KIBIT(キビット)」の活用事例を、20分間のセッションでご紹介いたしました。

この記事では、当日のセッションの内容を順次ご紹介させていただきます。

3つ目のマーケティングセッションは、国内中古車販売大手ガリバーが2016年1月に提供を開始した、「リアルの営業現場」と「デジタルマーケティング」の融合を図るオンライン接客サービス「クルマコネクト」と、そこで活用されている人工知能「KIBIT」の導入事例についてです。株式会社IDOM(旧社名:ガリバーインターナショナル)でマーケティングチームリーダー兼リアルマーケティングチームリーダーを務める、中澤伸也氏にご登壇いただきました。

自動車の流通革命と未来へ「挑む」、株式会社IDOM

ガリバーインターナショナルは、7月15日に社名をIDOM(イドム)に変更されました。同社は創業以来、自動車業界における流通革命を目指してきましたが、本格的に自動車の流通革命に「挑む」だけでなく、加えて未来へ挑戦、「挑む」ということからIDOMとされたそうです。

「中古車の販売と買い取りの国内最大手の当社は、現在、約500店舗を展開しています。このメインビジネスをガリバー事業と呼んでいますが、特徴は店舗とWebサービスの融合にあります」(中澤氏)

一般的には中古車販売というと、店頭に車が所狭しと展示してあり、実車を見て営業マンと話しながら選ぶというスタイルが一般的かもしれません。これに対し、ガリバーでは店頭に置いてある車両は、ある意味、参考としての意味合いを持ちます。

「その代わり、店内で車が映しだされた大きなモニター画面を営業マンと見ながら選ぶというスタイルを、約15年前から実施しています。いうなれば、営業マンと顔を突き合わせながらインターネットのWebサービスを店舗で使うという、O2O(Online to Offline)のはしりのような形態です」(中澤氏)

なぜ、このようなスタイルを取ったのでしょうか。「店舗だけの在庫だけでは、お客様の選択肢が広がりません。当社では500店舗で買い取った車を、その場でデータ登録して商品化しています。そのため、500店舗全ての在庫をオンラインで確認可能にし、約10万点という豊富な品揃えの中から選んでいただけるようにしました」と中澤氏は説明します。

株式会社IDOM (旧社名: 株式会社ガリバーインターナショナル)マーケティングチームリーダー兼リアルマーケティングチームリーダー 中澤 伸也 氏

 

チャットで相談できるオンライン接客サービス「クルマコネクト」

IDOMが2016年1月に提供を開始したオンライン接客サービス『クルマコネクト』(https://221616.com/connect/)は、オンライン上で車の情報を見ながらチャットで店員に相談、来店予約が出来るWebサービスです。

「クルマコネクトは、画面を見ながらチャットするという、シンプルで使いやすいサービスです。お客様は車を検索している最中に気になることがあればチャットで相談できますし、途中で電話に切り替えてコンタクトセンターと通話することもできます」(中澤氏)

クルマコネクトの導入により、オンラインからオフラインだけでなく、一度来店したお客様への継続したコンタクトを可能にし、オフラインからオンラインのチャネルを実現しました。そして、接客業務の高度化と成約率の向上を目的に、人工知能「KIBIT」が導入されたのです。

AIを活用し、お客様の真のニーズを探り出す

なぜクルマコネクトにKIBITの導入が不可欠だったのか、中澤氏はその理由を、お客様が本当に欲しい車を分かっていないケースが多いからだと話します。

「チャットによる接客では、まず、お客様から相談を承ります。こういう車を探しているとか、このような理由で車を買い替えたいけれどオススメは?とかですね。この内容を踏まえて営業マンは車を提案します。ここで重要になるのが、車の提案確度とその理由付けです」

欲しい車を指名されるお客様の場合でも、実は本当に欲しい車を分かっていないケースが多いと中澤氏は強調します。

「たとえば、エスティマが欲しいというお客様がいたとします。欲しい理由を伺うと『この夏、家族と長距離旅行を計画している。だから大きい車が良いよね』ということで、大型ミニバンのエスティマを指名されます」

ところが、接客を進めていくうちに、欲しいのは大きい車ではなく、「長時間の運転でも疲れない車」という真のニーズが明らかになることがあるそうです。

「一番疲れないのはセダンなんですよね。そこで、大型セダンはいかがですかと提案すると、最終的にはクラウンを購入された、といったケースが数多くあります。こうしたお客様の真のニーズを短時間の接客で知るということは、熟練した営業マンでも時間のかかる、困難な作業です。そこで必要となったのがKIBITでした」(中澤氏)

クルマコネクトにおける接客方法と少ないデータでお客様の評価軸を抽出するKIBIT

中澤氏は、クルマコネクトでの接客方法を説明します。

「まず、お客様にいくつかの車を提示させていただき、その車に対して、良いとか悪いとかの評価をいただきます。その評価を基に、KIBITが車について書かれたレビューデータを分析します。その車を選択するということは、乗り心地なのか、大きさなのか、デザインなのか、燃費なのか、そういった『評価軸』をKIBITが分析していくわけです。

いくつかの車を割り当ててくことによって、そのお客様が本当に欲しいと思っている軸が把握できます。それを踏まえて営業マンが提案することで、よりよい接客、さらには成約率の向上を目指しました」(中澤氏)

IDOMが保有しているレビューデータには、お客様の購買動機や乗車感など、他のお客様が参考になる情報が豊富に含まれているそうです。その文章に含まれる価値を自動で見つけ、購買行動に繋がりそうなポイントを導くことが出来るKIBITに、高評価をいただいています。

「最近のECサイトでよく用いられる、おすすめ品を併記するレコメンドエンジンも検討しましたが、購買行動が頻繁に起こらない車という商品の特性と、チャットによるコミュニケーションのため閲覧情報が限られるという理由から、既存のエンジンでは上手くレコメンドが働かないことが判明しました。そのような課題を有していた中で、少ないデータで評価軸を抽出できるアルゴリズムをもったKIBITが不可欠でした」(中澤氏)

導入効果と今後の展望

サービス提供開始からまだ半年ほどですが、既にクルマコネクトによってROI向上の効果が生まれているとのこと。

中澤氏は次のように話します。

「店舗に送客する一人当たりのコストは上がったものの、チャットによるきめ細かな接客で成約率が大幅に向上しています。結果として、お客様一人当たりの受注コストを相当程度低減することができました」

今後はサービスの質を向上させながらユーザー数の増大に対応できるよう、KIBITを中心とした技術を活用し、更なる改善を図っていくようです。

「人工知能と営業のコラボレーション手法の確立を次のステップと考えています。さらにLINEやFacebookメッセンジャーのような膨大な量のチャットにも対応することで、マルチエントランスへの対応も考えていきたい。そのために、引き続きFRONTEOの支援を期待しています」と中澤氏は語り、講演を締めくくりました。

 

※このセッションでご紹介した製品・ソリューションの詳細は、こちらのページでご確認いただけます。

http://www.kibit-platform.com/products/sukedachi/