Bright!FRONTEO Official Blog

Bright!FRONTEO Official Blog

ベーカー&マッケンジー法律事務所 井上朗先生による「直近事例に学ぶ司法取引の活用方法」セミナー開催レポート

コーポレートコミュニケーション部
ベーカー&マッケンジー法律事務所のパートナー弁護士であり、ニューヨーク州弁護士でもある法学博士(Ph. D.)井上朗先生が講師を務める「直近事例に学ぶ司法取引の活用方法」セミナーが、2019年2月20日、東京にて開催されました。 会場には、直近事例にて日本では運用が始まったばかりの司法取引がどのように適用されたのか、また、制度体系はどのようなものかについて学ぼうと、企業の法務担当者、コンプライアンス担当者、内部監査担当者など、150名以上が詰めかけました。 日本版司法取引とも呼ばれる「刑事訴訟法350条の2~350条の15」は、2016年の刑事訴訟法の改正により新設されたもので、2018年6月から施行されています(http://www.moj.go.jp/content/001149703.pdf)。講師を務めた井上先生はこれまで、米国で12件、日本で1件の司法取引の経験があり、今回のセミナーでは、直近事例を踏まえた日本版司法取引の運用(実際にどのように運用されているのか、実務面からの話)、法務のプロが今後どのような準備をしておくべきかについて提言がなされました。 具体例として、誰もが知っている事件の概要をおさらいし、世間で騒がれた不正行為のうち、実際に訴追対象になったもの、ならなかったもの、そこから見える司法取引の目的と狙いが説明されました。それに続く運用面の説明の場面では、米国と日本の司法取引のあり方、進め方の違いが説明される中、実際に井上先生が立ち会った米国での司法取引での証言でのエピソードを披露すると、会場からはどよめきの声があがっていました。 また、司法取引で成功するためには、日本国内はもちろんのこと、海外の客観証拠をいかに迅速に確保すべきかどうかが重要であることについて、米国連邦政府との司法取引事例をもとに、強調しておられました。 日本ではまだ運用が始まって日の浅い司法取引ですが、ビジネスがグローバルに展開している今、いつ当事者になるか分かりません。それを実感している企業の法務担当者だからこそ、法務部が司法取引にどのようにかかわることになるのか、リアルな話に真剣に耳を傾けていました。
この記事をシェアする